FXは経済指標を知らないと大損する?重要経済指標のポイントも紹介
FXと切っても切り離せない関係にあるのが経済指標です。
ただ初心者にとって経済指標は難しく、トレードに活かせるのかもわかりにくいですよね?
- 最低限押さえておくべき経済指標を知りたい
- 経済指標が為替にどれぐらいの影響を与えるのか知りたい
- 経済指標の発表時間など詳しい情報がわかるサイトやアプリを知りたい
ここでは、経済指標の意味、経済指標を見るときのポイント、5つの重要な経済指標などについて解説します。
経済指標とは各国の公的機関が発表する経済状況の数値
経済指標とは各国の公的機関が発表する経済状況(物価・金利・景気など)の数値のこと。
景気のバロメーター的役割を表すので、今後の価格を判断する上で重要なものです。
そのため、FXなど投資家の間でも重要視されており、経済指標発表後は為替の価格が大きく変動することもあります。
経済指標はそれぞれ発表頻度や発表時間が異なるので、事前の確認をおすすめします。
経済指標を見る時に大事な4つのポイントとは?
毎月発表される経済指標の数はとても多く、アメリカの指標だけでも80を超えています。
そのため、初心者はどの指標を見れば良いのかわからないかもしれません。
経済指標を見るときに大事なポイントは4つです。
- 経済指標は重要なものだけ確認
- アメリカの経済指標は重要
- 取引する通貨に関わる経済指標は重要
- 発表時の結果と前回の結果との比較が重要
@経済指標は重要なものだけを確認
各国の経済指標のすべてを確認する必要はありません。
なぜなら、すべての経済指標発表時に、価格が大きく変動するわけではないからです。
最低限重要な指標だけ確認しておきましょう。
Aアメリカの経済指標は重要
世界各国が発表する経済指標の中で最も重要なのはアメリカの経済指標です。
なぜなら、アメリカの経済指標の結果はアメリカ国内だけではなく世界各国に影響するから。
したがってどの通貨ペアを取引する時も、アメリカの重要な経済指標については確認しておくべきですね。
B取引する通貨に関わる経済指標は重要
取引する時は、取引する通貨ペアの経済指標をチェックします。
なぜなら、経済指標発表はあなたの保有しているポジションの損益にも影響があるため。
ポジション保有中にうっかり指標の発表を忘れると、価格が急激に変化し思わぬ損失を受けることがあるので注意してください。
経済指標の結果を取引の参考にしない人も、重要な経済指標の発表時間だけは抑えておいてくださいね。
C発表時の結果と前回の結果との比較が重要
為替はただ単に指標の結果が良いか悪いかで、価格が上下するわけではありません。
なぜなら、経済指標の判断方法は2種類あるからです。
例えば、ある為替の価格が上がる要因は以下の2つです。
- 経済指標の数値が良い結果だった
- 経済指標の数値が前回の発表よりも良い数値だった
指標の数値が悪くても、前回の結果よりも大幅に良化していれば、価格が上昇することもあります。
取引をする時に重要な経済指標5選
FXの取引をする時には、最低限5つの重要な経済指標は覚えておきましょう。
指標名 | 発表日程 | 発表時間※ |
---|---|---|
主要各国金利政策 | 年8回 | 時差があるため各国により違う |
米国雇用統計 | 毎月第一金曜日 |
夏時間21:30 |
米国四半期GDP(速報値) | 四半期別(翌月の月末) |
夏時間21:30 |
ISM製造業景気指数 | 毎月第一営業日 |
夏時間23:00 |
消費者物価指数 | 毎月15日前後 |
夏時間21:30 |
※時間は全て日本時間
ドル以外の通貨ペアを積極的に取引する場合は、各国のGDPや消費者物価指数も重要です
@主要各国金利政策発表
世界各国の中央銀行では年間数回、金融政策を決定する会合を開いています。
その中でも日本人である私達が必ず抑えておきたいのは、以下の3つ。
国名 | 会合名 | 発表日 |
---|---|---|
アメリカ | FOMC議事録 | 年8回 |
EU | 欧州中央銀行政策金利発表2 | 6週間ごとに1回 |
日本 | 日銀金融政策決定会合 | 年8回 |
これらの会合では政策金利が発表されます。
基本的には金利が高くなれば通貨は買われ、金利が下がると通貨は売られます。
したがって、金利と為替の価格は相関関係にあることが多いです。
(画像引用元:SBI証券公式サイト)
- 2004年から2007年頃は、為替の上昇に合わせて金利も上昇している
- 2007年からは為替の下落に合わせて金利も下落している
- 2012年以降、為替の上昇に合わせて金利はそのまま
2012年以降の金利が為替の価格と連動していないのは、この頃からアメリカEU・日本による金融緩和策(=金利を下げたままにする)が行われたから。
また政策金利は、為替の価格にとても強い影響を与えます。
以下のチャートは、FOMC発表直後と日銀の金融政策決定会合直後のドル円チャートです。
(画像引用元:ダイヤモンド・ZAi FX公式サイト)
発表直後に大きく価格が変動していますね。
基本的に発表内容がサプライズであるほど、価格が大きく変動します。
A米国雇用統計
アメリカの雇用統計は毎月第1週目の金曜日に発表される最も有名な経済指標です。
発表される内容は以下の2つ。
- 非農業部門雇用者数→アメリカで農業部門以外の産業で働く就労者の人数
- 失業率→労働人口に対する完全失業者の割合
雇用統計発表後はドル絡みの通貨ペアが大きく変動するため、アメリカの経済が今後どうなるのかを知る上で参考になる指標です。
例えば、以下のドル円のチャートと非農業部門雇用者数の比較を見てください。
景気が良かった2007年前半と景気が悪くなった2008年や2009年を比較すると、数値が大きく違いますね。
一般的に非農業部門雇用者数が20万人以上なら経済は好調です。
B米国実質国内総生産(GDP)
実質国内総生産とは、一定の期間内に、国民によって生産されたモノやサービスの付加価値のこと。
米国では4半期毎に速報値・改定値・確定値に分けて発表しており、最も為替の価格に影響が大きいのは毎年1,4,7,10月に発表される確定値。
確定値以外の発表は、そこまで重視しなくても大丈夫です。
CISM製造業景気指数
ISM製造業景気指数は、毎月発表される米国の経済指標の中で発表時期が第一営業日と最も早いです。
そのため、景気の先行指標として注目されています。
この経済指標の内容は主に製造業の項目5つで構成されています。
- 生産
- 新規受注
- 在庫価格
- 価格
- 雇用
50%を上回れば景気は良くなり、50%を下回れば景気は悪くなると判断できます。
実際に世界景気の後退が起き始めた2007年7月頃からISM製造業景気指数の数値は長期間50%を割りました。
一方で、リーマンショック真っ只中の2009年8月には早くも50%以上の数値に回復していますね。
(画像引用元:株式マーケットデータ)
D消費者物価指数
消費者物価指数は、毎月発表する指標で、都市部の消費者による商品やサービスの価格の違いがわかる統計のこと。
この指標では前月・前年と比較してどのぐらい伸びたかが重要視されます。
ただし、あまり大きな数字が発表されると、物価が上昇するため、注意が必要です。
- 短期的にはドルの価格は上昇
- 中長期的にはドルの価格は下落
物価が上昇すると経済の循環が良くなる点もありますが、行き過ぎた上昇は私達の生活にも悪影響を及ぼすことがあります。
経済指標を予想して稼ぐことは難しいのでオススメはできない
一般的に経済指標は以下のような見方をします。
- 指標の結果が良ければ、為替の価格は上昇する
- 指標の結果が悪ければ、為替の価格は下落する
トレーダーとして稼ぐために、経済指標を予測できれば良いのですが、残念ながら経済指標の結果が事前に漏れることはありません。
銀行や証券会社でも、経済指標の中身を事前に知ることは不可能です。
そのため経済指標を予想してトレードに活かすのは難しいですね。
経済指標発表直後にどのようにトレードをするべき?
経済指標発表直後は、他の時間帯よりも値動きが激しくなるため、うまく値動きの流れに乗ることができれば、利益を伸ばすことも可能です。
ですが、基本的に経済指標発表直後のトレードはおすすめはしません。
その理由は、結果的にギャンブルトレードになるからです。
- 経済指標の予想するのは困難(ギャンブルと同じ)
- 経済指標発表直後の値動きは不規則(ギャンブルと同じ)
@経済指標を予想が困難
まず経済指標を予想することが極めて困難です。
そのため、経済指標の結果に自分のトレードの成績を委ねる行為はギャンブルトレードしているのと同じですね。
過去の経済指標をもとに予測しているトレーダーもいますが、あくまでも過去の結果はわかっても未来の情報はわかりません。
A経済指標発表直後の動きは不規則
為替の価格は、必ずしも経済指標の結果通りには動きません。
さらに、為替相場には資金をたくさん持っている機関投資家も参加しているため、値動きは安定しません。
- 指標の結果通り、上昇し続けた
- 発表直後は、上昇をしたが、すぐに下落に転じた
- 発表直後は、上昇したが、一旦元の価格に戻り、再度上昇した
- 発表直後からほとんど動かなかった
価格の変動も激しくなるため、大損する可能性も高くなります。
雇用統計など経済指標でのトレードは基本的にギャンブルです。
上級者の多くは指標発表時のトレードを避けています。
経済指標カレンダーなどの情報が充実しているサイト一覧
(画像引用元:みんなのFX公式サイト)
経済指標の使い方は、事前に何時に経済指標が発表されるかなどの情報を知っておくこと。
そのために、便利なサイトは以下の3つです。
@ZAi FX
ZAi FXはマネー雑誌であるダイヤモンドザイが運営するFXの特化したホームページです。
ZAi FXでは今月発表される経済指標の「前回の結果」「予想」「今回の結果」を確認できます。
1ヶ月分の経済指標の情報を同じページで閲覧できるので便利なサイトですね。
また情報量も豊富で、2007年1月から現在までの経済指標の予想と結果を見れるので、分析などもできます。
A羊飼いのFXブログ
羊飼いのFXブログは、FXの情報量が最も多いサイトの一つ。
経済指標のページは毎日更新されており、朝起きて、「経済指標の時間」「重要度」「予想」「前回の結果」が表にわかりやすくまとめられています。
色がカラフルなので、FXの情報に詳しくない方でも見やすいサイトです。
さらに2007年からの指標の予想や結果だけでなく、指標発表後の値動きもチャートで見られます。
そのため、指標後の値動きを予想したい人にピッタリのサイトです。
BYahoo!ファイナンス
Yahoo!ファイナンスでは1週間分の経済指標の予想や結果が確認できます。また重要な経済指標については、過去数年の予想と結果の乖離もわかります。
指標発表後の変動幅についても細かく見れる点も良いですね。
シンプルな画面が好きな方にはおすすめできます。
経済指標の結果が速報でわかるアプリが便利
経済指標の結果などが速報でわかるスマホアプリはとても便利です。
その中でも評判が良いアプリは以下の3つ
@みんなのFXのFXトレーダーアプリ版
みんなのFXのFXトレーダーアプリ版は、スマホのアプリから各経済指標の前回の結果・予想値・今回の結果が閲覧できます。
重要指標かどうかも3段階でわかるので便利ですね。
画面は緑色で落ち着いた雰囲気の色。
経済指標発表10分前と指標発表後に結果をスマホに通知してくれる機能も重宝します。
Aヒロセ通商のLION FX
ヒロセ通商のLION FXは各経済指標の前回の結果・予想値・今回の結果が閲覧できます。
このアプリも指標の重要度が3段階で判別可能。
経済指標は今週だけでなく、前週や来週の予想や結果も確認できるすぐれものです。
経済指標発表の10分前と発表後に結果を通知してくれる機能もあります。
BYJFX!のFX Cymo
YJFX!のFX Cymoは、直近1週間前後の経済指標をチェックできます。さらに日付や国ごとに絞った検索もできるため、時間の短縮につながりますね。
経済指標発表10分前に通知があるので、経済指標の発表を忘れることもありません。
まとめ : 経済指標時のトレードはギャンブルだが、トレードの参考にはなる
経済指標時のトレードはギャンブルになります。
しかし、経済状況を判断するために重要な指標があるため、トレードの参考にすることは可能です。
興味がない方も最低限、雇用統計や政策金利発表の経済指標ぐらいは確認しておきましょう。
経済指標カレンダーを用意しているアプリやサイトを見れば、簡単に経済指標の時間や予想を確認できるので便利なのでオススメです。