FXのローソク足を詳しく解説【陰線・陽線・テクニカル分析の考え方】
※記事内容はFX初心者向けです
FXのローソクはなんとなく分かるけど、一体どうやってローソク足を見ればいいの?
ローソク足について調べてみたけど、その種類の多さや専門用語の多さに困っている。。。
そんな方のために、ローソク足の見方やノウハウ、トレンド転換で使えるローソク足の種類を紹介していきます。
- ローソク足の見方やノウハウ
- ローソク足を使ったトレード判断方法
- ローソク足確定の重要性
ローソク足を理解するために勉強してみたけど良く分からなかった人や、ローソク足の基本的なノウハウを学びたい人にオススメの内容になっています。
ではさっそく本題へ移っていきましょう。
ローソク足の見方と考え方
ローソク足とは過去の値動きを表示するテクニカル指標のことです。
実はこのローソク足、江戸時代に「本間宗久」という相場師が考案したテクニカル指標なのです!
※これは特にオススメの本ではありません
形がローソクに似ていることから、ローソク足と呼ばれるようになったそうですよ。
ローソク足は、大きく分けると陽線と陰線の2種類があります。
以下の画像は「青」と「赤」の棒がたくさん並んでいます。
この「青」と「赤」の棒がローソク足です。
ちなみに、十字マークの形をしているローソク足は、始値と終値の差が最終的にほとんどなかった時に出現します。
※十字線は上のチャートの○部分です。
ローソク足の種類 | 強さ | 終値が始値よりも |
陽線 | 買い | 高かった |
陰線 | 売り | 低かった |
十字線 | 同じ | ほとんど同じ |
このようにローソク足を見れば、現在の価格が以前の価格よりも「高くなったのか」「低くなったのか」がひと目でわかりますね。
1分足チャートなら1分ごとに1つのローソク足が完成する。
15分足チャートなら15分ごとに1つのローソク足が完成する。
4時間足チャートなら4時間ごとに1つのローソク足が完成する。
ローソク足が作られるのは、チャートの時間足ごとによって変わってくるので覚えておきましょう。
ちなみに日足が完成するまでに必要なローソク足の本数をまとめるとこのようになります。
1分足 | 1,440本 |
1時間足 | 24本 |
4時間足 | 6本 |
日足 | 1本 |
1分足だと1440本必要になることは驚きですよね。
ちなみに、こちらは予備知識として覚えていただければと思います。
ローソク足の形はトレーダーの感情の痕跡?ローソク足の見方
ローソク足は世界中のトレーダーが絶えず確認しており、重要な指標の1つになります。
そのため、ローソク足はFXに参加しているトレーダーの感情がそのまま形となって表れているのです。
今回は基本的なローソク足の見方を説明していきますが、「急な変動」や「パニック相場」などに表れるローソク足の形はプライスアクションで詳しく解説していきます。
まず、こちらの基本的なローソクの見方を解説していきましょう。
始値 | ローソク足が表示された時の最初の価格 |
終値 | ローソク足が完成した時の最終的な価格 |
高値 | ローソク足形成中の最も高い価格 |
安値 | ローソク足形成中の最も安い価格 |
陽線の場合は、始値→安値→高値→終値 この順番でローソク足が形成されます。
陰線の場合ほというと、始値→高値→安値→終値 この順番でローソク足が形成されます。
…少しややこしいですよね?
違うところは、「安値→高値」「高値→安値」この部分だけです。
要は、「買いが強いか」「売りが強いか」この2つを判断できればOKです。
- 陽線・・・買いが強い
- 陰線・・・売りが強い
ローソク足の形を見れば、「買いが強い」か「売りが強い」かを判断できますね。
FX初心者が覚えるべきローソク足のパターン6選
ローソク足は陽線と陰線を全部合わせると20種類以上のパターンがあります。
(画像引用元:FXブロードネット公式サイト)
1つ1つのローソク足にはそれぞれ重要な意味があるのですが、一度に多くのローソク足を覚えようとすると頭がパンクしてしまい挫折の原因になってしまいますので、今回は重要な6つに絞って説明していきます。
最低限覚えるべき重要なローソク足のパターンは以下の6つです。
ローソク足の種類 | 高値圏で出現した場合 | 安値圏で出現した場合 |
大陽線 | 上昇の力が強い | トレンド転換 |
大陰線 | トレンド転換 | 下落の力が強い |
上影陽線(上ヒゲの長い陽線) | 上昇力が衰えている | 反発のサイン |
上影陰線(上ヒゲの長い陰線) | 上昇力が衰えている | 反発の転換サイン |
下影陽線(下ヒゲの長い陽線) | 価格が天井をつけた可能性 | 反発のサイン |
下影陰線(下ヒゲの長い陰線) | 価格が天井をつけた可能性 | 反発のサイン |
それでは1つずつ図を使って解説していきましょう。
@大陽線
大陽線は価格が大きく急上昇した時に出現します。
特徴は「実体が他のローソク足に比べてかなり大きい陽線」です。
大陽線が出ると「買い優勢」が強い状況です。
また下降トレンド中の底値圏→大陽線が出現した場合、トレンド転換の可能性が高く買い優勢の状況になります。
A大陰線
大陰線は価格が大きく急下落した時に出現します。
特徴は「実体が他のローソク足に比べてかなり大きい陽線」です。
大陰線が出ると「売り優勢」が強い状況です。
また上昇トレンド中の天井圏→大陰が出現した場合、トレンド転換の可能性が高く売り優勢の状況になります。
B上影陽線(上ヒゲの長い陽線)
上影陽線は「上ヒゲの長い陽線」です。
上影陽線から判断できる相場の心理はこの2つです。
- 上昇の勢いが強い時に出現 → 上昇を抑えて陰線にしようとしたがわずかに買いが強い → 買い優勢で継続
- 高値圏の天井付近で出現 → 勢いよく上昇したが売り圧力の方が強かった → 売り優勢になる
このローソク足は、どの場面で出現したかによってその後の動きが大きく異なります。
ですので、相場の流れとローソク足の出現場所を判断した上でトレードしていきましょう。
C上影陰線(上ヒゲの長い陰線)
上影陰線は「上ヒゲの長い陰線」です。
「大きく上昇しようとしたが売り圧力が強かった」と判断できるため、売り優勢の状況になります。
大陽線を作ろうとしたが失敗して、売り圧力の方が強い状況の時に出現します。
「大陽線を作るため強い上昇 → 失敗 → 実は売り圧力の方が強かった → ヒゲをつけて下落」
このようなカウンター攻撃を受けた時のような状況の時に出現します。
どちらの場合も結局、売り優勢になるので反転下落を警戒しておきましょう。
※もちろん100%反転するわけではなく、あくまで売り優勢の状況という意味になります。
D下影陽線(下ヒゲの長い陽線)
下影陽線は「下ヒゲの長い陽線」です。
こちらも「大きく下落しようとしたが買い圧力が強かった」と判断できるため、買い優勢の状況になります。
「大陰線を作るため強い下落 → 失敗 → 実は買い圧力の方が強かった → ヒゲをつけて上昇」
このようなカウンター攻撃を受けた時のような状況の時に出現します。
このがローソク出現したら売り優勢になるので反転上昇を警戒しておきましょう。
E下影陰線(下ヒゲの長い陰線)
下影陰線は「下ヒゲの長い陰線」です。
下影陽線から判断できる相場の心理はこの2つです。
- 底値付近で出現 → 勢いよく下落したが買い圧力の方が強かった → 支えられる → 買い優勢になる
- 下落の勢いが強い時に出現 → 下昇を抑えて陽線にしようとしたがわずかに売りが強い → 売り優勢で継続
このローソク足も、どの場面で出現したかによってその後の動きが大きく異なります。
ですので、相場の流れとローソク足の出現場所を判断した上でトレードしていきましょう。
ちなみに2回下影陰線を作るとWボトムを形成しやすく、買いのチャンスになります。
FXでローソク足を利用する注意点
ローソク足を使ってトレードする時は以下の4つの点に注意しましょう。
@反転のサインに注意
長期間上昇トレンドや下落トレンドしている相場でも、ヒゲが長い陽線や陰線が出た時は、注意が必要です。
なぜなら、長いヒゲのローソク足が出現すると、それまでの動きが反転することが多いからです。
ヒゲ=反対の力が加わったと判断できるため「トレンド転換」を警戒しましょう。
上昇トレンド中に長い上ヒゲが出た場合 | トレンド転換の可能性あり |
下降トレンド中に長い下ヒゲが出た場合 | トレンド転換の可能性あり |
Aローソク足単体でトレードするのは危険
ローソク足単体でエントリーの判断をするのはかなり危険です。
あくまでもローソク足はテクニカル指標の1つにしかすぎません。
他の手法やエントリー条件と掛け合わせて、ローソク足を使っていきましょう。
- このローソク足が出たから必ず反転する
- このローソク足が高値圏で出たから絶対に反転するだろう
このような考え方は危険で、いつか破産への道へと繋がります。
相場の世界は、様々な投資家が参加しており、絶対ということはあり得ないからです。
Bマルチタイムでローソク足を判断することで勝率が安定する
トレードは1つの時間足を見てトレードするのではなく、大きな時間足を見てその中でトレードしていくのがとても大事です。
分かりやすく説明すると「大きい時間足のトレンドには逆らわない」ということです。
もし5分足でトレードする場合は、さらに大きい時間足のトレンドをしっかりと確認してからトレードを行いましょう。
@のポイントは、まだ売り時ではない!
@は大陰線が多いので、短期足のチャートだけ見ていると売りたくなりますよね?
しかし、ここでは売るのはリスクが高く危険。
1時間足では、上昇トレンド中なので再度上昇する可能性が高いから、ここでは売りでエントリーしてはいけません。
Aのポイントは短期足で売りエントリーできる!ただリスクはある…
次にAのポイントでは、長い上ヒゲ陽線が出ていますよね。
ここで考えられるのが、
- 1時間足では上昇中
- 5分足では天井かも?
1時間足ではまだ買い継続中のため、「5分足の売り」は1時間足のトレンドとは逆らっていることになります。
よって、ここは5分で少しだけ売りを狙うことができるかも…。と判断することができます。
もちろんリスクがあるので、過度な下落の期待はしないことですね。
短期時間足と長期時間足の相性のいい組み合わせ
短期時間足と長期時間足の相性のいい組み合わせを紹介していきます。
マルチタイムフレームで相場を判断するときに参考にしてみてください。
- 5分足と1時間足
- 15分足と4時間足
- 1時間足と日足
- 4時間足と週足
- 日足と月足
Cローソク足が完成するまではエントリーしてはいけない
チャートは常に動いていて、ローソク足確定する前にエントリーしたくなったりもしますが、必ずローソク足確定してからエントリーしていきましょう。
ローソク足確定前にエントリーしてしまうと、ローソク足がどのように作られるか分からないため、場合によっては大きな損失に繋がる可能性があるからです。
例えば、5分足のローソクが確定する3分前だと仮定します。
この時の心境としては、
- 1時間足も5分足も上昇トレンド中
- 今小さな陰線を作ろうとしているがまだまだ上昇しそう
以上の根拠だけを考えると、買っても問題なさそうですよね?
しかし、この時点では、まだローソク足が確定していないので、エントリーしてはいけません。
その後、ローソク足が確定したらこのようなローソク足になりました。
そうです。
大陰線です!
上昇トレンドが一気に転換する可能性があるので、天井で買ってしまうという事態になるところでした。
なのでローソク足はしっかりと確定を確認してからエントリーしていきましょう。
さらに詳しい深堀りはこちらの動画で解説しています。
まとめ:FXのローソク足は他のテクニカル指標と併用して使うこと
FXのローソク足の重要性を詳しく紹介していきました。
ですが、ローソク足だけで根拠あるトレードはできませんし、勝ち続けることはできません。
あくまで手法のサブ(根拠の1つ)として使うことを覚えておきましょう。
上昇中や下落中の天井や底、トレンド転換の判断として使うことはできるので、ローソク足の重要性はしっかりと覚えてトレードしていきましょう。